3年生性教育実践記録

 



主題   大切なからだ
 

 ねらい  

 内臓の働きに視点をあて、生命活動について考えることを通してそれぞれを一つの命として尊重しようとする心を養う。
 また、内性器について学ぶことで、男女の特性を知り、互いに大切にし合おうとする態度を養う。







学習活動
指導上の留意点
資料等
知っている臓器を発表する。
☆私たちの体の中はどうなっているのでしょう。
何があるかな。
内臓を示す図
臓器の働きを話し合う。 ☆肺はどれかな。どんな役目をしているのでしょう。
◇内臓を示す図を使って、肺、心臓、胃、小腸などの主な臓器の位置や働きについて話し合わせる。知らない臓器については教える。
◇どの臓器も生きていくためには欠くことのできない大切な働きをしていることを理解させる。

内性器について知る。 ☆肺や心臓は誰もが持っていますね。ところが、女の子だけしかもっていないものがあります。何でしょう。
◇内性器を示す図を使いながら、卵巣の位置や働きについて話す。また、男の子だけの臓器として精巣の位置と働きについて話す。
◇新しい命を生み出すためには、卵巣、精巣両方の機能が必要であることを理解させる。また、赤ちゃんにもすでに備わっていること、新しい命を生み出すための準備がもう始まりかけていることを知らせる。
卵巣と精巣を示す図
これからのくらしについて考える。 ☆今日の学習から、暮らしの中でどんなことに気をつけたらいいかかんがえましょう。
◇具体的な活動場面を考えながら、一人一人を大切にすることなど、男女協力し合って仲良く生活することなど、児童の言葉でまとめる。

事前指導
ある日、男子児童と女子児童の間でけんかが起きた。この場面をとらえて、次のように児童全員に問いかけた。
 ・体を強くたたいたり、けったりしたらどうなるだろう。
 ・体の中には大切なものがつまっている。どこに、どんなものがあるのか知っているか。
ここでは、問題意識を持たせるだけにとどめ、本時で詳しく考えさせることにした。
事後指導
ふだんから仲のよい学級集団であり、男女の区別なく活発に活動している。学習後はさらに協力し合って活動するようになった。また、争いが起きても暴力的な行動は見られなくなった。そうした児童の実態について、機会あるごとに賞賛している。
体の成長曲線や人の一生をあらわした絵・図などを示し、運動、栄養、睡眠の大切さや、生活習慣づくりについて指導した。また、二次性徴について軽く触れ、来年度は詳しく学習することを予告した。





よかった点・今後の課題
児童の反応・感想
・保健室前に「内臓クイズ」という掲示があり、児童は内臓についての興味関心をもって意欲的に学習に取り組んだ。
・卵巣の位置や大きさ、働きについて具体的説明したときは、みんな真剣な表情で聞いていた。なかには、腹部に手を当てて位置や大きさを確かめたりしていた。
・個人差はあるが、それぞれに体や命を大切にすること、男の子は女の子を、女の子は男の子を思いやりながら協力し合うことについて理解し、生活に活かそうという気持ちになったようである。
保護者の反応・感想
・児童はとても真剣に学習していた。
・家庭ではなかなかきちんと指導できないので、学校で系統的に指導してもらえるとありがたい。
・保護者にとっても勉強になった。家庭でもこの機会に親子で話し合いたい。
指導者の感想
・事前指導から本時、事後指導と一連の流れにそって展開でき、効果的であった。また、児童も学習に真剣に取り組んだ。年間計画に性教育参観日を位置づけ、発達段階に即して系統的、計画的に取り組んでいること、性教育を重要な柱の一つとして、道徳教育を総合的に推進していることなどが、このような成果としてあらわれていると考える。
資料・教材・その他・今回使用した「内蔵クイズ」をはじめ保健室周辺には体に関するわかりやすい資料が掲示してある。また、図書や視聴覚資料もそろえてあり、児童が興味関心をもったり主体的に学習する環境が整っている。