第2部
雪深い山奥。雪女“お雪”は、手下の霰(あられ)霙(みぞれ)雹(ひょう)を従えて、聖なる雪山に入り込み、山の動物たちを殺したり、山の秩序を乱す悪い人間をこらしめていました。
ある日お雪は、吹雪の中で猟師の親子、吾作と弥助に出会います。吾作は雹の息で殺されてしまいますが、若くて目のきれいな青年弥助に、お雪は一目惚れしてしまいます。
そして、「今日ここであった事は誰にも話さぬ」という約束をさせて、弥助を助けてしまうのです。
それからのお雪は、弥助のことばかり考えていました。
雪山の番人としての仕事も忘れて……。
「人間の娘となって弥助のもとへ行きたい……」お雪は、とうとう思いあまって雪の女神様のところへ相談に行きました。
お雪は、人間の娘になって弥助の前に現われます。そして二人は夫婦に。
お雪は幸福でした。弥助は働き者のお雪を、とても優しく大事にしてくれました。
ところがある日、弥助が突然……。
お雪はもう人間でいられません。雪女に戻るためには、氷柱(つらら)の槍で弥助の胸を突き刺して殺さねばなりません。
しかし、お雪は……。
熱い涙をあふれさせ消えてゆく、雪女…お雪の物語。
劇団民話芸術座ホームページより